*同じく雑誌ネタ


那月といえば、いろんな意味で料理!

だから「掲載しますからよろしくお願いします」の言葉にじゃあ部屋にあるミキサーでも撮ろうかなと俺は考えた。


「…組み合わせおかしいだろ」
ミキサーの中には板チョコが入れられている。これはまぁ許せる。もう一枚のチョコは銀紙が付いたままだった。
これは…あとで剥ぐ予定だと考えれば許容範囲。問題はそこに映り込むタバスコ等のおおよそチョコレート一緒に使用するには突飛な調味料だった。

「なぁあの調味料どけて写真撮っていいか?」
「だめですようー。ファンの方々には自然なところを見てほしいじゃないですか!
それに、翔ちゃんが毎回おいしい!って食べてくれるのはああやってつくってるんですよ」
「お、おう」

その料理に対する絶対的な自信はどこからくるんだ。

最終手段として怪しげな調味料にはピントが合わないようにした。掲載されたその写真を見た那月のファンがどう思うかは、俺の知るところではない。
「なんだかお料理したくなっちゃいました!今日の夕飯たのしみにしてくださいね、翔ちゃん」
それよりも今日の夜が峠かもしれないことの方が重要だ。


でも料理をする時の那月はきらきらしていて、
出来ることならこいつのことを好きな奴にはこういう顔を見てほしいんだけどな、と借りてきたカメラで一枚、笑顔を撮ってやった。




『Natsuki's cooking』-photo by Syo